注目される2018年「春闘」の行方は?

Life

こんにちは。こんばんは。鈴海です。
サイトを訪問していただきありがとうございます。

この季節、日本企業にお勤めの方々は「春闘」が気になりますよね。

そもそも「春闘(しゅんとう)」という言葉を聞いたことが無い人もこの記事を読んでくださっている方の中にはいるかもしれませんので、軽く触れておこうと思います。

そもそも「春闘」って一体何?

日本では毎年2月(ころ)から行われる労働条件の改善をめぐっての討議・決定のことと思っていただければいいと思います。

この「春闘」、毎年春に行われる「労使交渉の戦い」ですので「春」に行われる+「闘い」、すなわち春闘ということになります。

その「闘い」の目的は何か?

冒頭でもほんの少し触れましたが、この「闘い」は労働者の賃金の引き上げや労働時間の取り決めなど、労使間での労働条件の改善が目的です。

労働条件の改善は、具体的には給料の内訳としての「ベア」にかかる部分、「定昇(ていしょう)」にかかる部分の賃上げ、労働時間の短縮に関わる労働日数の見直しや日当たりの就業時間の短縮などが主に協議されることとなります。

重要単語「ベア(ベースアップ)」、「定昇(定期昇給)」

「ベア」、「定昇」という言葉が出てきましたが、それぞれどのような意味なのか説明したいと思います。

昇給(給与が上がる)の中身についてですが、大きくは2つに分類することができます。(こういった給与昇給の実態を持たない企業体もありますので、すべての方に共通ではないですが…)

昇給には勤続年数などにとらわれず、基本給が上がるものと、勤続年数に従って定期的に上がっていくものの2つに分類されます。

「ベア」とは「ベースアップ」という意味で、基本給の水準を上げるということを指します。
「定昇」とは「定期昇給」といって、勤続年数(会社に勤めている年数)が長くなっていくことで年々給与が上がっていくことを指します。その他に職務能力や経験値を評価して定期的(年に1回など)に昇給することも含まれる場合があります。

「ベア」は経済の動向による消費者物価上昇率や企業体の生産性向上に影響されるのに対し、「定昇」は従業員の年齢や勤続年数や職務経験・職務能力などを考慮した労働者そのものに付加される昇給(言い方が適切でないかもしれませんが)だといえます。


同じ「昇給」。でも「ベア」と「定昇」何が違うの?

すごく単純に言いますと、ベアは従業員全員が同じ金額分昇給するイメージ、定昇は個々によってその昇給額が変わるというイメージになります。

「ベア」の場合、仕事ができるできないにかかわらず、全員が一斉に昇給するのに対し、「定昇」は企業が定めた賃金表に基づいて勤続年数や職務能力に応じて、あるいは成績に応じて個別に昇給額が設定されていくものです。

この「ベア」と言うものは「基本給そのもの」のアップを指します。

これが企業(雇い主側)にどのような影響を与えるかというと、「ベア」は従業員全体が一斉に一律に昇給しますので人件費が増加します。従業員が多いほど、その影響額はものすごく大きくなっていくことになります。

賞与では企業の業績効果や企業収益の従業員への還元といった一過性の要素も含みますので、企業収益の動向によって調整される要素が多く含まれます。

雇い主側からすると基本給以外での賃金支払をしておけば、企業の収益状況によって調整可能なものとして扱うことができますので、リスクは少ないと言っていいでしょう。

雇われる側としてはできるだけ変動の少ない安定した賃金を確保したいと思いますので、「ベア」は安定的な賃金の嵩上げになります。

したがって、いわゆる「ベア」に対しては慎重になる企業が多いのは言うまでもありません。



その「闘い」は誰がするのか?

この労使間の闘いはそれぞれのトップで行います。

労働者の代表は「連合」(正式名称:日本労働者組合連合会)、使用者(企業)の代表は「経団連」(正式名称:日本経済団体連合会)となります。

労使それぞれの代表が協議して方針などを決定し、それぞれの企業体がその決定内容を自社の労使間に反映させていくという流れになります。

ただし、この「春闘」で決定した内容はあくまでも目安であり、各社、各企業体に100%で反映されるものではありません。あくまでもガイドラインとして捉えたほうが良いでしょう。

春闘はどのように進められていくか

春闘には一応の流れがあって、概ね以下のような順序で進んでいきます。

  1. 車・電気・鉄鋼(大手製造業)
  2. 鉄道・電力(非製造業)
  3. その他大手企業
  4. 中小企業

経済的な影響力の大きい分野からそれを支える中小企業というような流れで進められていき、中小企業は大手企業の動向を参考にしながら自社の対応検討をしていくというわけです。

もっとも、その中には春闘決定以上に昇給させる、休暇を増やすなどの企業の例外はありますが、それらは自社の業績や中長期の増収ビジョンが見えている企業でないとなかなか難しいです。

2018年 春闘 動向

安倍晋三首相が「3%以上の賃上げ」を経済界に要請したことが重視されて、ベアの実施に向けて検討が開始されました。
ベアの実施は5年連続。雇われる側としては大変ありがたいことだと思いますが…

参考までに、

電機連合=ベア3,000円以上、

自動車総連=ベア3,000円以上(2年間で7,000円以上)、
一時金(ボーナス)= トヨタ—6.6ヶ月、ホンダ—6.2ヶ月、日産—5.8ヶ月

景気が良くなって、皆さんの生活が豊かになりますように。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

ではまた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました